アメヒヨ不動産 リノベ企画 > タムラ家・家を買う

14

Jan.2020

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VOL.2 内見と買付証明書

初めて見た日の二日後、内見することになった。


そもそもこの物件は「古家付き土地」として売り出されていたので、

建物を壊して土地として活用するのが前提の物件。



古家付き土地とは


古家付き土地とは俗称で、広告上の表記ルールでは土地か中古一戸建てしかない。

正しくは「土地 ※現況 古家あり」。

販売時に土地扱いにするか、中古一戸建てにするといった明確な基準はないが、

傾向からいうと平成に入ってからの建物は『中古一戸建て』、

昭和に建築されたものは『土地』扱いになることが多い。

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内見も何もあったものではないのだが、私としてはそのまま建物を使いたかったので

不動産屋さんにお願いした。

ヒロシ君も神戸からわざわざ帰ってきてくれたが、直前になり鍵が借りられず延期に。

中は見れないものの、初めて一緒に物件を見に行くことになった。

見るなり気に入ってくれたのでホッとした。

ただ建物の安全面は心配だからそこは慎重にいこうね、と。



それから数日後不動産屋さんから連絡があり内見をすることになった。

ヒロシ君は神戸なので、ヒロシ父と二人で見に行くことに。

ちなみに父と私はナナツモリのための物件探しの時から家族の中では名物コンビのように言われている。

父は一級建築士であり、構造設計一級建築士でもある。そして宅建も持っている。

建物好きな父と私は、物件探しとなると二人で張り切ってどこまでも出かける。

そしてヒロシ君の意見も聞かずに勝手に契約までしようとするので、暴走コンビという異名も持っている。


私のかわいい平家は昭和44年に建てられたプレハブ住宅。

実際に安全に使用することはできるのかを見てもらう上でも、父と一緒に見れるのは心強かった。


家の中は物で溢れかえっていた。

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思ったような廃墟ではなく、ついさっきまで人が住んでたかのような普通の家、だった。

もうなくなってしまった祖父母の家にもどこか似ている。

内見までに色々調べていると、この家は1960年代にセキスイハウスが作った「セキスイハウスB型」であるようだ。

「鉄とアルミとプラスチックがガッチリとスクラム組んだ新しい住宅」が謳い文句。

林業の取り組みにたずさわっていた身としてはなんとも申し訳ない気にもなる。

これを執筆している今となってみればこの貴重なプレハブをこのまま残しても良かったのでは、

なんて思ったりもするのだがこの時の私はフルリノベで頭がいっぱいだったので

中がどうなっているかなんてどうでもよかった。

間取りも、家の汚さも、どうでもいい。

とりあえず建物として使えさえすればそれでいいのだ。

父に聞いてみると「平家やから大丈夫やろ」という、中を見なくてもわかるであろう一言。

床はところどころベッコベコだし、そこら中なにかしらの生物の糞があるし、

おそらく普通なら「本当かよ」とツッコミをいれたいところだが、

私にとっては父のお墨付きさえもらえれば周りが納得するので問題ない。


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不動産屋のYさんが言うにはもう1組購入を考えている方がいるという。

その方はすでに住宅メーカーで見積りも済ませているとのこと。

ただこの物件は隣に菊畑があり農薬を撒くこともあることから、

お子さまへの影響を若干心配されて決定に至っていないと。

仮にそれが不動産屋の営業トークであったとしても私には関係なかった。

なぜなら誰かが欲しがってるから購入に心傾く、とかいう次元ではなかったから。


ヒロシ君にきちんと承諾もとらず、Yさんに購入の意思を伝えた。

できれば少し安くしてほしいとお願いもした。

それまでに近隣の物件価格の相場は調べていたが、市街化調整区域にしては高かったこと、

残置物がかなり多いことがその理由だ。

Yさんはそれを聞いてくれた上で「買付証明書」の提出を奨めてくれた。


買付証明書??


すでに宅建をとっていた私も知らなかったこの書類。

よくわからないけど購入するためならなんでもします、と書類の提出を何も考えずに決め、

1時間後にヒロシ実家で書類に記入することになった。

急いで印鑑や申込金を取りに行く間にそれが一体なんなのかをネットでチェック。


買付証明書は内見しその物件が気に入ったら、売り主または仲介業者宛てに提出する書類のこと。

買付申込書、買受証明書、購入申込書などと名称が違っていることもあるらしい。

「この物件が気にいったので、この金額で買います」という購入の意思を仲介業者や売り主に

伝えるものであるが、法的な効力はない。のでキャンセルも可能。

書類には購入希望価格、手付け金の金額、住宅ローンの額、契約希望日、引渡し希望日、

有効期限などその他条件を記載する。


なるほどなるほど。


先ほどちらっとYさんに聞いたところによると、たとえ買付証明書を書いたとしても、

もう1組の購入希望の方が私より高いお金で買いまーす、とおっしゃたら買われてしまうかもしれない、

という効果があるのかないのかよくわからない書類でもある。

うちの場合はこの書類の記入プラス10万円の申込証拠金の支払いを求められた。

これに関しては真っ当な不動産会社ならキャンセルした時になんの問題もなく返ってくるお金だが、

返してもらえずトラブルになっている事例などもあった。

なんとなくピリッとした気持ちにはなったが、それでも突き進むしかない。

どうかこのまま買えますように、と車を走らせながら神に祈る。


そして私はハッと気づく。神に祈る前に伝えるべき人がいる。

そう、その名はヒロシ。


「あの家買うことにするから今から買付証明書書いてくる」

と慌ててLINEを入れると

「うん、わかったー」とのほほんと返事が返ってきた。

人生でおそらく一度きりであろう買い物をするのにこのお気楽さ。さすがだ。


ヒロシ実家の和室で買付証明書に記入をし10万円を支払う。

今後の流れとしては、まず売主様の承諾をいただき、そのあと住宅ローンの仮審査、仮審査が通ったら契約、

住宅ローンの本審査、物件引渡し、となる。

もはや自分の中ではこの家を手に入れることしか頭になかった。



つづく

WRITER

明日香


副編集長
カフェナナツモリオーナー



アメヒヨ不動産 リノベ企画

アメヒヨ不動産、リノベ企画課によるリノベーションドキュメンタリー。
住宅のプロSOUSEI監修の元行なったリノベプロジェクトや、
編集長タムラのマイホーム購入記などなど。
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