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11

Mar.2015

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防災バッグのすゝめ 

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こんばんは、タムラです。

今日は3月11日、日本人なら誰もが忘れることのできない記憶。
東日本大震災から4年が経ちました。

今夜は、「防災バッグのすゝめ」と題して、
災害時に必要な防災バッグを考えます。

震災の節目となる今日の日に、
改めて防災バッグを見直したり、 家族で話し合う時間を持ってみましょう。

政府が発表した「全国地震動予測地図」によると、
30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率は、
高いところだと70%を越える地域もあります。

私達は、備えなければならないのです。

先日、アメカヒヨリカの読者のみなさまにもご参加いただき、
「防災バッグ講習会」を開催しました。

2時間たっぷりのお話を、全てここに掲載することはできませんが、
講習会でのお話を、纏めてみましたのでご覧ください。

講師は、陸上自衛官として震災時は被災地で災害派遣活動もされ、
救援・救助の専門として活躍された奥田さん。

非常時に”本当に”必要なものを厳選した
防災バッグの中身やその使い方を教えていただきました。

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奈良県には自衛隊駐屯地がない??

みなさんは、ご自身が住んでいる場所で災害があったとき、
どこから救助がかけつけてくれるかご存知でしょうか。

ちなみに、アメヒヨスタッフも多く住む奈良県には、
実は2015年現在、日本で唯一、自衛隊駐屯地がない県なのです。

東日本大震災時、肉体的にも精神的にも非常に過酷な状況下で
被災者のために、力を尽くしてくれたのは自衛員の方々でした。

災害の少ない奈良県民は、防災意識も比較的低いそうです。

では仮に、自衛隊駐屯地のない奈良県で大規模な災害がおこった場合、
どこから救助が来るのでしょうか。

京都府宇治市にある大久保駐屯地の
「第4施設団」が派遣されることになっています。

ナナツモリのある上牧町だと1時間以上かかる距離です。

災害時は通常よりも交通渋滞はひどいですし、
状況によっては橋が落ちていたり、道路が機能していない可能性も…。

震災後、ライフラインが復旧するまで、
また救援物資が届くまでには、ある程度の時間がかかります。
最低3日間を想定して、その間は自力で持ちこたえるしかないのです。

そして、人命救助においても、
この72時間に生存率の大きな壁があり、
とても大切な時間となります。

そのためにも、物心両面、出来る限りの準備をしておきましょう。

読者のみなさまも、防災バッグの準備はもちろん、
災害時の家族との連絡方法や 自宅以外での集合場所などを話し合っておいたり、
自分が住む地域から近い避難場所や
災害時にどこから救助が来るかなども、確認しておきたいですね。


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地震が起きた、そのあとの行動

□身の安全の確保
 あわてて行動しないこと、飛び散ったガラスの破片などで
 怪我をしてしまう恐れも。
 家の中でも靴を履いて行動しましょう。頭と足を守ること。

□出口の確保
 揺れがおさまった後に、すべての窓や戸を開け、出口を確保しましょう。

□情報収集
 テレビ、ラジオ、役場等からの情報に注意し、正しい状況の把握に努めましょう。
 避難勧告がでたら、指示に従いましょう。

□水の確保
 避難生活をはじめ、被災者が最も苦労すると言われているのが水の問題。
 飲料水はもちろん、傷口を消毒したり、トイレに使ったり。
 水は生命線です、ペットボトルはもちろん、お風呂の残り湯なども活用しましょう。
 発災直後は水道が使える場合もあります。
 とにかく、水を貯めておきましょう。

□外出時はブレーカーを必ず落とす
 震災時の火災の多くは、通電火災とよばれる火災でした。
 電気が復旧したとき、切れたと思っていた電気製品が再び作動し、
 これが火元となって起こるのが、通電火災です。
 避難する時には、必ず電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めましょう。

□安否の確認
 震災などの災害発生時は、被災地への電話が集中し、通信回線が大変混雑し、
 つながりにくい状態になります。
 災害用伝言ダイヤル(171)をご利用ください。

□防災バッグを持って外出
 家を出て避難する場合、もしかするとしばらく家には帰れないかもしれません。
 防災バッグは、自分自身や家族を守るために必ず用意しておきましょう。


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防災バッグの中身
今回、奥田さん自身が中身を厳選した防災バッグを公開します。

奥田さんは、被災地での災害派遣活動はもちろん、
個人としても復興支援活動や研修を重ねておられます。

そんな奥田さん自身の体験から「必要」と判断し、
厳選した防災バッグの中身のリストになります。


非常持出品リスト

1 非常食  カンパン・缶詰・飴など
2 飲料水  飲料水は食料以上に重要、2L×2本
3 上着(保温・保湿性の高いもの)
4 下着(シャツ・パンツ・靴下)
5 手袋  革製などの厚手の軍手がいい
6 懐中電灯(予備電池含む)LED製品、ヘッドライト型がいい
7 携帯ラジオ
8 帽子 
9 タオル(大・小)
10 靴 
11 救急医療品  絆創膏、マスク、痛み止め、胃腸薬、消毒薬、包帯、ピンセット、爪切りなど
12 ビニール袋(大・小)、ビニールテープ
13 ティッシュペーパー(ウェットティッシュ)
14 トイレットペーパー
15 生理用品
16 ライター
17 ナイフ(カッターナイフ)・缶切り
18 コップ・割り箸・アルミホイル
19 常備薬・処方箋コピー
20 文房具  ノート、ボールペン、油性マジック、布ガムテープなど
21 携帯充電器
22 古新聞紙
23 現金
24 時計
25 印鑑
26 免許証・健康保険証・住民票のコピー
27 家族・親族・職場・学校等の連絡帳
28 家族の写真


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田村:奥田さん、懐中電灯はやはり優先順位としてはかなり上になるんですね。

奥田さん:はい、大規模災害が起こったとき、電気や水道などのインフラもとまってしまい
     夜になると道路や室内も真っ暗になります。 
      人間にとって真っ暗闇は精神を蝕むんです。なので、灯りは絶対に必要。
     ヘッドライトタイプのものだと、両手を自由に使えるのでとても便利ですよ。

田:リストに、「帽子」とありますが、どのように使うのですか?

奥:頭の保護はもちろん、特に女性は髪をおさめるのにも役立ちますし、
  非常時とはいえ、何日間もお風呂に入れなくなる避難所などで、
  最低限の身だしなみも意外と重要だったりするのです。

田:そうだったんですね。
  なかなか避難所生活をリアルにイメージできませんでしたが、
  確かにとても大事なポイントですね、勉強になります。
  靴は、予備を用意したほうがいいのですか?

奥:はい。避難所での生活などが始まったら、
  ちょっとしたものを取りに自宅へ戻ったり、状況によっては
  離ればなれになった家族の安否確認などの情報収集をしたり、
  通常よりも劣悪な足元の中を歩く距離が長くなります。
  そうなると、履いている靴はあっという間にだめになります。
   参加者(以下、参):バッグの中身はひとつひとつ小分けにされていますね?何故ですか?

奥:雨などからの防水措置であり、万一防災バッグの中の水分が漏れたら、
  大切な中身がびしょ濡れになっちゃいます。
  それを防ぐ為にもひとつひとつ小分けにするといいですよ。
  大小様々なジップロックを使い分けるのがおススメです。

参:この防災バッグ、総重量12kgほどありかなり重そう。女性でも持てるの?

奥:確かに重いかもしれませんが、十分に女性でも持てます。 
  実は、荷物のしまい方にもちょっとしたポイントがあるんです。
  重要なのは「軽いものを底から詰め、重たいものを上にする」ということ。

参:お水とか、重くて固いものから下に収納してゆきたくなるけど…??

奥:重心を高いところにしてあげる必要があるんです。
  同じ重さでも、重心が低くなると、とても重く感じるんです。
  背中に担いでからも、両脇のリュックの紐を短く締めて、
  背中の高い位置で背負うこともポイント!


DSC_2121□重心を変えた防災バッグを背負ってみるアメヒヨスタッフのひろせ氏。重心をあげることにより重さが軽減されるのを実感。

ひ:比べてみるとわかります!
  確かに、鞄の中身も大事ですが、収納方法も大事なんですね。
  やはり、リュックタイプのものがいいですか?

奥:はい、両手が使えるリュックサックタイプが一番おすすめです。
  また、防災バッグの設置場所は「どこがいい」とは一概には言えないのですが、
  大切な靴があり、避難口の確保という面でも、すぐにドアを開放できる玄関に
  置いておくのが理想的かもしれません。

尚、ご紹介させていただく防災バッグの中身は、
あくまでも奥田さん個人の経験から「必要」と判断し厳選したものです。

家族構成や体力、様々な状況を想定した上で、
各ご家庭で、考えて決定してください。


最後に、奥田さんから一言いただきました。

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今日のように節目となる時だけでも良いので

防災バッグを作ってみる(中身を見直してみる)、
防災についてリアリティーをもって考えてみる、
周囲の人たちと話し合ってみる、子供たちに伝えていく…
それが一番身近で効果的な防災訓練だと思います。

そして、もしも!! のときは、
私たちが必ず助けに向かいます!!

これを心の備えとし、
「今」を楽しみ、大切に、生活を送ってほしいと願っています。

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東日本大震災により亡くなられた方々、
また、被災をされました皆様に心からの哀悼とお見舞いを申し上げます。

一刻も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。

WRITER

田村広司


編集長
ナナツモリ代表/写真の先生/ディレクター



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