特集記事 > 奈良県吉野郡、地域の宝を探すツアー

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May.2015

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伝統のその先へ、《植和紙工房》

こんばんは!吉野の血をひく、てんです。
毎年7月に行われる金峯山寺の『蛙飛び行事』がいまから楽しみです!


さてさて、「地域の宝」を求めて社会見学ツアーに乗り出したアメヒヨ特派員たち。
舞台は、吉野杉で知られているように木材関連が基幹産業となっている奈良県吉野郡。

木材のワンダーランドとも言える「徳田銘木」(野生児Hの記事をチェック→ )
をあとにし、一行は次なる場所へ。。


地域のお仕事2:植和紙工房のお仕事


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次に私たちが向かったのは、吉野町国栖(くず)の里にある「植和紙工房」
吉野町は《和紙の里》として知られており、
紙漉きの歴史は、一説によると7世紀まで遡ると伝えられています。

掛軸の裏打ちに使用される最高級の「宇陀紙」をはじめ、
「植和紙工房」では5代にわたり和紙づくりに携わっています。


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5代目代表 植貞男さんによるレクチャー。手には楮の皮


和紙の原料は、主に「楮(コウゾ)」「三椏(ミツマタ)」「雁皮(ガンピ)」があります。

こちらの工房の近くには和紙づくりに欠かせない楮の畑があり、自家栽培を行っています。

楮から和紙の原料に使われるのは、樹皮の部分。
さらにそこから表皮を剥いだ靱皮を使用します。
原木の状態を100%とすると、和紙になるのはたった7%なのだそう。

そんな楮は、多くの時間と様々な行程を経て和紙になります。
良い紙を作るため、通常は厳寒期の4ヶ月でそれらの作業が行われているそうです。

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手前の枝は楮の原木。元は黒くて固い樹皮がついてます



レッツ 手漉き体験!


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手漉きの和紙には、機械漉きにはない丈夫さや保ちの良さ、そして味わいがあります。

原料には楮の皮、檜の皮、パルプを混ぜたものを使います。
(吉野杉の使わない部分を木材チップにして製紙会社でパルプにしています。)

それに「糊空木(ノリウツギ)」からとれる天然糊を追加します。


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とてもとろみのある糊。紙漉きをしている人は手がスベスベなのだとか。


ここへ来たからには、アメヒヨスタッフも手漉きに挑戦です♩
まずは、植さんにお手本を見せていただきました。

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簀桁(すけた)と呼ばれる木枠で原料の入った液をすくい、前後にゆすります。
上手に漉くには、「体を精密な機械のように素早く動かす」こと。
なので、体調によって上手く漉けたり漉けなかったりするそうです。


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お見事!厚みが均一なのがわかりますね〜。




さあ、いよいよ我々の番です。
手漉き体験では、下記のいずれかを選択できますが
今回はオリジナルの葉書をつくることに。
■ 葉書/6枚セット
■ タペストリー/1枚
(掲載している簀桁が6分割されているのは葉書用だからです)

先陣を切ったのはアメヒヨ編集長。
プロの手仕事に圧倒されたメンバー達の不安を拭えるのでしょうか!?

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逆に不安な眼差しで見守られながらTry!!


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結 果 …!
植さんに敗因を尋ねると、水をすべて切ってしまったため、紙の原料が留まってしまったとのこと。
ポイントは”いかに水を動かすか”だそうです!


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編集長が良い見本になってくれたこともあり?他のメンバー達も楽しく取り組めました。


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最後は、思い思いに紅葉や草花、色紙などで飾り付け。

乾燥の行程は植さんが担当してくださいます。
完成品は後日郵送してもらえるので、仕上がりが楽しみです♩


植さんの挑戦


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かつては300軒あったという紙漉き工房も、現在は1桁まで落ち込んでしまったそうです。

そんな厳しい状況でも、植さんは前向きに捉えています。
製造の中心となっている6代目の息子さんとともに、
近年では、時代に合わせたプロダクト商品の開発など、新しい試みにも力を入れています。
(和紙のグローブや帽子まで!ぜひご覧ください。 参考:


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紙漉き業界の未来を担う6代目 浩三さん。


“故きを温ね新しきを知る”
こちらを訪ねてからなんだか頭の中でぐるぐるしている言葉です。
現代風にアレンジすることは、伝統を壊すことではないと思います。
技を活かし、進化し続けていくことが大切だと感じました。

和紙の可能性や、植さん自身仕事に誇りを持っている限りその挑戦は続くでしょう。


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植(うえ)和紙工房
〒639-3437 奈良県吉野郡吉野町南大野237-1
TEL 0746-36-6134
■紙漉き体験
葉書6枚/1,200円 タペストリー/1,500円
定休日 年中無休(10日前までに要予約)
体験時間8:00〜


WRITER

てん


編集スタッフ
カメラマン/デザイナー



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